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「えへへー、じゃあ先に入っててねー♪」 「お、ぉおう!」 実際に2人で風呂に入るのは慣れてなく、コジローは緊張していた。 ・ ・ ・ 「それじゃあお背中流しますねー」 キリノはコジローの背中を流してゆく。 「何黙ってるんすかー?」 「い、いや、緊張してな」 「ふーん♪」 「もう教師と教え子でもないのに何緊張してるんすかねー。」 「うっ」 「夫婦っすよ?夫婦、幼な妻ですよ~」 「キ、キリノ、その・・・なんだ」 「ふにゅ?」 「我慢できなくなるから・・・そろそろ・・・な?」 「別に我慢しなくても・・・いいよ?」 (・・・我慢、我慢だ俺!) 「はいっとー終わりましたよー」 (ふぅーとりあえず浴槽で心を落ち着かせねば・・・) (くそ!早く収まりやがれマイサン!) コジローが必死になだめている間に 「とう!」 ザバーン 「うわ!キ、キリノ!びっくりするだろうが!」 「はぁ~いい湯っすねぇ~」 「そ、そうだな・・・」 「ちょっと前開けてー」 「ん?ああ」 「よいしょっと」 「お、おい、この格好は・・・」 コジローがキリノを後ろから包み込むような体制になっていた。 コジローは恥ずかしさの余りあわてて上がろうとする。 が、 「も、もう少しこのままで・・・」 (・・・どうした・・突然・・・) 「やっぱり・・・落ち着くんすよ・・・」 「ああ」 「センセェ・・・」 (先生って・・・まぁいいか) 「私ね、センセェがいない間・・・寂しくて・・・切なくて・・・」 (こんなに俺のことを想ってくれているなんて・・・キリノ・・・) 「出張に行った日の夜も・・・その次の日の朝も・・・気がついたら・・・」 (・・・) 「センセェのこと考えてて・・・頭から離れなくて・・・」 (・・・) 「また・・・どこかに行っちゃうんじゃないかと思って・・・うぅ」 「待たせてごめんな・・・キリノ」 愛おしく大切に抱きしめた
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141 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2008/04/13(日) 07 15 53 ID xgCDIsiK もっとまったりいこうぜ キリノ「先生って意外と加齢臭とかしませんよね、お年の割には」 コジロー「うるせえよ!!俺まだ26だぞ?臭ってたまるか!」 キリノ「えーでもその位の歳でも、食生活偏ってると臭う人は臭うらしいのにー」 コジロー「お前さ、勿体無いみたいに云うなよ…俺だってジャンクフードばっか食ってるわけじゃねえんだっつの」 キリノ「へぇー、気使ってるんですか?意外だなあ」 コジロー「おーよ、お袋のおかげでな。こないだなんか、身体から薔薇の香りがするサプリとか採ってたんだぜ?」 キリノ「どれどれ?(すんすん)」 コジロー「い、いきなり鼻近付けんな…ビックリするだろ」 キリノ「ん~~??薔薇?わかんないなぁ」 コジロー「ホントにする訳ねえだろ…」 キリノ「あ、やっぱりそうなんすか。しないんだ…ちょっと残念かも」 コジロー「だから残念とかじゃねえよ。もう離れろって。たく…」 キリノ「……まあ、先生の臭いだったら何でもいいんですけどね、あたしは」 コジロー「…うるせえよ」
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ミヤ「くっそ、あいつ・・・」 キリノ「ミヤミヤ。どうしたの、朝から荒れてるよー?」 ミヤ「(コロッ)あ、おはようございます。」 キリノ「ダメだよー、美人が台無しだよっ!(基本はいい子なんだけどなぁ)」 ミヤ「いや、その。中学校の後輩の間でちょっといろいろあって。もともと私があまり好きじゃなかった男がちょっとふざけたことしたらしくて。」 キリノ「それもまた青春だねぇ。ダメだよ、そんなに人を憎んじゃ。」 ミヤ「そういえば、キリノ先輩って嫌いな人とかいないんですか?誰とでも仲良く接してますよね?」 キリノ「う、うーん、やはり外山くんと岩佐くんは苦手かなぁ・・・。あ、あと・・・」 ミヤ「?」 キリノ「一人だけ、嫌いな人いるなぁ。」 ミヤ「え、意外ですね、誰ですか?」 キリノ「・・・コジロー先生」 ミヤ「え?!なんでですか?!すごく仲がよさそうじゃないですか!」 キリノ「だって、コジロー先生、いっつもだらしないんだもん」 ミヤ「あー・・・確かにいつも飢えて、生徒からたかってますね。」 キリノ「そうなんだよー、最低だよ!」 ミヤ「(あれ、でもいつもキリノ先輩がむしろあげちゃってるんじゃ。 ていうか、わざわざそのために大きなお弁当箱持ってきてるような。)」 キリノ「この前も、私のクラスにきて、私だけじゃなくて他の女の子からたくさんもらってるんだよー」 ミヤ「はぁ・・・」 キリノ「おとといも、一年生のかわいい子からパンもらってたし。」 キリノ「この前のバレンタインなんてたくさんの女の子からチョコもらって鼻の下のばしちゃって。」 ミヤ「・・・」 キリノ「あげくのはて、タマちゃんのこと『俺の珠姫』とかいっちゃって。女の子にあんなこといっていいのかなぁ」 ミヤ「でも、別にコジロー先生が女子生徒に手を出してるわけじゃないですよね?」 キリノ「むー。でも見てて気分良くないんだよねー!」 ミヤ(・・・むしろ嫉妬してんじゃん) 女子生徒「先生、今日調理実習でゼリー作ったんだよー。はい、あげる!」 コジロー「おお、わるいな、ありがたくいただくぜ。」 女子生徒「あたしはプリン!ほらほら食べてみてー」 コジロー「おお、うめぇ。」 キリノ「・・・むー。」 」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」 キリノ「・・・」 サヤ「どしたの、キリノ。難しい顔しちゃってぇ。」 キリノ「近頃、よくコジロー先生にイライラしちゃうんだよね。」 サヤ「・・・ピク。」 キリノ「なんか、言葉にできないような不満がたまっちゃってるのかなぁ。」 サヤ「・・・。おっけーい、キリノ。あたしに任せなさい。」 キリノ「ほえ?」 」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」 男子生徒「おい、また桑原がなんか独り言つぶやいてんぞ。」 男子生徒「おもしろいからほっとこうぜー。」 サヤ「コジロー先生がいっつも適当だから、部長のキリノにいつも負担がかかっちゃってるんだ。キリノは先生が嫌いなんだよね、わかるよ。」 サヤ「だから、キリノはコジロー先生に文句言いたいんだよね、怒りたいんだよね。でも押さえつけちゃってるんだよね。」 サヤ「別に私はコジロー先生嫌いじゃなかったけれど、キリノがコジロー先生を嫌いな以上、親友のあたしとしても黙ってられない!」 サヤ「わたしがなんとかするんだ!って、あれはキリノ・・・とコジロー先生?」 キリノ「あれ、コジロー先生?」 コジロー「おう、キリノ。その弁当箱はもしかして大量のメンチカツが・・・」 キリノ「そうですけどー。でも先生、さっきいろんな女の子からもらってませんでした?」 コジロー「ま、そりゃそうだけどな。やはりゼリーとかだけじゃどうにもな。 お前のメンチカツがなきゃなんか始まらない感じだわ。」 キリノ「・・・。(にぱー)しょうがないっすねー、ほら、ちゃんと先生の分もありますよ!」 コジロー「おお、サンキュー。さすがキリノだな。」 キリノ「へっへー。じゃあ、教室も遠いんで、道場にいって一緒に食べましょうかー!」 コジロー「お、おい。どうした。今日はいつも以上にテンション高いぞ。」 キリノ「そんなことないっすよー。いっつもこんなもんですって。ささ、行きましょー!」 サヤ「・・あれ?・あれれれぇ?」 ポツーン
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……。 蒸し暑い。 合宿初日。午後の稽古だけで相当疲れているはずなのに、なかなか寝付けなかった。 浅い眠りについても、すぐに目が醒める。その繰り返し。 十分に休息をとるようコジローに言われてはいたが、すでに時刻は午前2時を回っていた。 (んー…あっつーい…) 千葉紀梨乃はごろん、と何度目かになる寝返りをうちながら、頭の中で一人ごちていた。 幸いこの合宿所は浴衣があったため、ある程度助かってはいたのだが。 (…サヤ、よく寝てるなー…) 同室の桑原鞘子は、隣の布団で寝ている。この部屋は二人部屋なので、寝ているのはキリノとサヤの二人だけ だった。 そのサヤはこの暑さにも拘らず毛布を首までかけ、こちらに背を向けて体を上下させていた。 (さー、あたしも早く寝ないと…) そう思い、キリノがもう一度眠りにつこうと寝返りをうったときだった。 「ん、んぁ…あ…」 (――!) サヤの声だった。 背中越しの微かな声ではあったが、キリノには確かに聞こえた。 「ふ…ぁ、ん、はぁっ…」 (え…?サヤ…?) それは明らかに、女の悩ましい喘ぎ声だった。 脳天気な性格のキリノでも、そういうことに関して無関心というわけでもない。 サヤが何をしているのか、大体の見当はついてしまった。 そして、初め小さかったその声は、時間とともに徐々に大きくなっていった。 「あ…ん、ぁん、あっ、あっ…あ、ふぅ…」 (サ、サヤってば、こんなことしてるんだ…) 顔が真っ赤になり、体が火照り始めているのがわかる。 胸がドキドキいっている。鼓動が、止まらない―― (ど、どーしよ…こんなの聞かされてたら、眠れないよ…) キリノは毛布をかぶり、耳を塞ごうとした。これ以上は、ムリ。そう思った。だが―― 「ん…あっ、あんっ、はぁ、あ…あっ、あっ、ん…あ…きり、のぉ…」 (――え――) 「えええぇぇぇっ!?」 「っ、うわああぁぁっ!?」 思わずキリノは毛布をはねのけて、上半身を勢いよく起こしていた。 ほぼ同時にサヤも反応し、二人は暗闇の中布団の上で互いに向かい合う形になった。 「……」 「……」 無言。 自身の浴衣がひどく乱れていることに気付き、サヤが素早く両手で直す。 明かりがない分よくわからないが、おそらく二人とも顔は真っ赤になっているだろう。 「……」 さらに無言。 静寂の中、耳の中でどくどくと早鐘のように打ちつける音が、やかましかった。 「……サヤ」 「……っ!」 サヤの体が、硬直したように思えた。 「……お、オナ、ニー……してた、よね」 「…………うん」 「……」 「……」 「…その…えっと、あ、あたしの名前――」 「ごめんッ!!」 サヤが唐突に頭を下げた。 「…え?」 (どうしよう…嫌われた…ぜったい嫌われちゃったよぉ…) サヤは泣きたくなるような気持ちで、自分の布団を見つめていた。 自分が友達を…女友達をオカズに、自慰に耽っていたことが知られてしまった。それも、まさにその子自身に。 恥ずかしさと絶望で、頭がいっぱいになった。もう、元の関係には戻れない… 「…えーと、サヤ?なんで謝られてるのか、わかんないんだけど…」 許してもらえるとも思っていない。いっそのこと、絶交… (…え?) 耳を疑った。と同時に、ぱちん、と部屋の明かりが点いた。 ゆっくりと顔を上げると、そこには照れくさそうに頬を掻きながらも、いつもの笑顔を浮かべたキリノがいた。 「え…だってキリノ…怒ってないの?」 「怒る?あたしが?そんなわけないじゃーん」 にゃははー、と笑ってキリノは言った。 「うそ…」 「…まぁ、すっごく驚いたのは確かだよ。でも」 「……」 「…イヤじゃなかった」 「……」 「サヤ。あたし、サヤが好きだよ。友達としてじゃなくて、恋人として、サヤのことが好き」 (――っ!) …泣いた。泣いてしまった。 さっきから堪えていた涙。ただし、今流している涙は絶望ではなく、嬉しさ故にこぼれ出た涙だった。 幼い頃から抱き続けてきた想い。叶わないと知りながら、それでも諦めきれず、胸の内に秘めてきた。 今、それが現実になった。そのことが、嬉しくて、嬉しくて―― 「こーらー、泣いてるサヤは見たくないよ」 「……ん」 キリノがサヤの頬をつたう涙を指先で拭う。サヤがうなずき返すと、いつの間にかキリノの顔が目の前にあった。 (あ…キリノの顔、真っ赤…) 気付いた瞬間、収まっていた鼓動が再び高鳴り始める。 だが、少し押され気味になりつつも、それ以上キリノは近付いてこない。 (あれ…) 「……キリノ?」 「……まだ、サヤの口から聞いてない」 ムスッとして、キリノが言う。 サヤは一瞬キョトンとしてから、ぽんっとますます顔を赤くした。 「……知ってるくせに」 「ちゃんと聞きたいんだよ」 「……」 (あぁもう!なんでこんな…) 「……き」 「…、聞こえないっ」 「だ、大好きだって言っ――んむっ!?」 ――サヤのバカ…我慢させすぎだよ…! ……… …… … 「おいサヤ、まーた目の下クマできてんぞ。合宿にも持ってきてんのか?小説」 翌朝、遅れて朝食に降りてきたサヤにコジローが声をかけた。 「あーいや、そんなんだったらいいんすけどね…」 今にも倒れてしまいそうなほど疲労オーラを漂わせ、サヤは深い溜息をついた。 「休んどけって言っただろうが。何してたのか知らねーけどよ」 「いやもうなんも聞かんといて下さい…」 はあぁぁ、と二度目の溜息をつき、よろよろと席につく。 コジローと後輩たちは、その様子を不思議そうに眺めていた。 「だらしないぞ、サヤ!キリノを見てみろ!」 と、ちょうどそこへご飯のおかわりをよそってきたキリノがやってきた。 「あ、遅いよーサヤ!朝ご飯きっちり食べないと、一日もたないよー!」 びしっ、と言って、キリノはサヤの隣の席についた。 (キリノ…あんた、一体なにもんなのよ…) あの後、二人は夜明け近くまであんなことやそんなことに励んでいたため、睡眠をほとんど取っていないのだ。 (あんただって全然寝てないじゃん!なんでそんなに元気なの~…) ようやく食べ始めたはいいが、箸が進まない。 「う~」 「おいおいサヤ、まだ合宿始まったばっかだぞ?今からそんな調子でどうするんだ」 (……あ) 「あー…そっかぁ…まだ始まったばっかかぁ…」 あはは、と乾いた笑いを漏らすと、隣りにいたキリノがそっと耳打ちした。 「…まだまだ、これからだよ?覚悟してね――」 (――なに顔赤くしてんだ!あたし!) 終
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389 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2008/01/05(土) 19 32 42 ID n0o0896T コジロー”だけ”のご家庭訪問 ママン「あらーいらっしゃい石田先生、さあどうぞどうぞ」 たっくん「こんちわ!センセーゲーム好きなんでしょ?DSやろーよDS~」 いもーと「やろやろー」 コジロー「いっ、いや俺…ぼくは…」 ママン「まぁまぁ立ったままも何ですからオホホ」 キリノ「ちょ、ちょっとおかーさん?」 ―――どさ。(強引に居間に通され、置かれる大量のメンチカツ) たっくん「おれんちの料理うまいんだぜ!」 いもーと「だぜーだぜー」 ママン「こんなものしかなくてごめんなさいねえ、ささまずは一献」 コジロー「いっ、いや俺このあと他の部員のとこにも寄(ry」 キリノ「ちょーお母さん、なにお酒とか勧めてんの?!」 パパン「ははは、まーいいじゃあないか、キリノ。ねえ先生?」 コジロー「は、はぁ…(キリノ、何だよお前んちの家族?)」 キリノ「うーん…(ごめんねえ…今日先生来るって言ってから変にテンション高くて…)」 家族『あっはっはっは』 きっとこんなだ。 390 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2008/01/05(土) 19 41 53 ID NZ6ww2Y/ お泊まりじゃね? 392 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2008/01/05(土) 19 58 51 ID A1y2/6ri 390 お前のせいで妄想がとまらん。 コジロー「いかん……飲みすぎた。」 ──タマに電話 コジロー「すまん、タマ。お前んちは明日行くわ。」 タマ「は、はあ」 キリノ母「すいませんねー、コジロー先生。お布団しいときましたからこちらへどうぞ」 キリノ「そうだよー、先生しっかりーって。ここあたしの部屋じゃない!」 キリノ母「ホホホホホホ。ごゆっくり」 キリノ「ちょ、お母さんったら」 たっくん「ねえちゃんDSや、ぐえっ。なにすんだよ母さん。」 キリノ母「邪魔しちゃ駄目よ」 いもうと「だめよー(よくわかってない)」 コジロー「ううー。(ドサリとキリノのベッドに倒れこむ)」 キリノ「先生、そっちはアタシのベッド!」 ──翌朝 コジロー「うう、頭いてぇ。ん?」 ──なぜか隣にはキリノが寝ている。 コジロー「????????????」 キリノ「ほら、アタシのベッドで寝ちゃうから仕方なくってカンジっすよー」 コジロー「いや、下の布団で寝ればいいだろ。じゃなくてだな」 いもうと「ねーちゃん。ご飯できたよー。」 ──いもうといきなり入ってくる いもうと「おかーさーん。先生がねーちゃんと寝てるー」 コジロー「いや、待て違うんだ。待ってくれ!」 その後、何もしてないんです。すいませんと平謝りするコジローの姿があった。 ちなみに翌日、千葉家から出てきた二人の姿が目撃され、 コジローが校長に呼び出しを食らったのは別の話。 ここまで妄想した。
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259 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[] 投稿日:2009/04/02(木) 21 38 16 ID RWcoMQYL 「なあ、お前なんで理系なのに政経とってんの?」 授業が終わり、黒板を消しているキリノにコジローが話し掛けた。 「ダメっすか?」 そんなの決まってるじゃない! 短髪の少女がキッとコジローをにらむ。 「そりゃ、コジロー先生が教えてくれるからっすよ」 キリノが屈託なく笑いながら答える。 「受験にはオススメしないぜ」 「でも」 「来年になったら別の」 いいおわる前にコジローの顔へとカバン飛ぶ。 飛んできた方向を見ると、そこにはサヤの姿が。 「この……ダメダメ教師、ダメ教師!」 ぶるぶると唇をふるわせ、怒りくるうサヤ。 わけもわからず、カバンとともに倒れこむコジロー。 またか、とクラス中からため息がもれるのだった。
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「じゃー、おやすみサヤー。また明日ねー」 「うん、おやすみー」 サヤとひとしきりドラマの話題で盛り上がったあと、キリノは携帯をきってベッドに寝転がった。 天井を見上げながら、彼女はさきほど話していたドラマの内容を思い返していた。 それは、よくある学園物で主人公の教師・翔と生徒のリョーコちゃんの恋愛が中心の物語。 ダメ教師の翔とリョーコちゃんが、部活を通してたがいに惹かれあう過程を全12回で描いていた。 今日話していた内容は最終回で、不祥事により学校をクビになった翔が、 リョーコを傷つけないようにあえて嫌いだとウソをつく、という展開だった。 「先生もクビになったら、アタシたちにああいう態度をとるのかな?」 携帯の待ち受けにしている部員全員の写真を見ながら、キリノはポツリともらす。 「というわけで、今日で俺は室江を去ることになった」 翌日、コジローは部員全員を集めると、とうとつに語った。 「え、えぇぇぇ。そんな、いきなりすぎません!?」 キリノが納得いかない、といった口調でコジローに詰め寄る。 「まあ、ウチが結果残してないからな。とくにキリノ」 コジローはキリノを見下ろしながら、冷たい目で突き放すように喋る。 「お前、まったく成長してないよな。手首だけで振るクセもなおんねーし、おかげで明日から無職だよ」 「え……」 キリノは、コジローが喋った言葉を信じられない、といった顔でコジローを見つめ返す。 「うそだよね……先生……」 「うそじゃねーよ、大体、下手糞な弁当とか調理実習の料理持ってこられても迷惑なんだよな」 「ひどい、アタシはずっとコジロー先生のために……」 「しらねえよ!!」 「ウソだといってよ、コジロー先生!! アタシはいつだってコジロー先生のために……」 思わず、言葉が堰を切って飛び出す。だが、コジローはそんなキリノを冷めた目で見るだけだ。 「ま、そーいうわけだから。お前は俺のことなんか忘れちまえよ」 「そんな……」 コジロー先生は、そんなヒドイ人じゃない。これは何かの間違いだ。 「好きなの!」 キリノは、声を振り絞って叫ぶ。もう、人の目も気にしていられなかった。 「行かないで」 目に涙を浮かべながらコジローに取りすがる。 「お願い……」 「って言われてもなあ。まあ、お前ならいくらでも男がよってくるだろ」 だが、コジローは残酷な言葉を返す。 「ヒドイッ!」 あまりにも、あんまりな答にキリノは泣きながらコジローのシャツをつかむ。 そのまま、コジローの顔を覗き込んだとき彼女は気づいた。 彼女に向けた残酷な言葉は、コジローの本心ではないことに。 「先生なんて……ダイッキライ!」 キリノは、そうささやくとコジローの唇に自分の唇を…… 「ん……んううう」 キリノは、身もだえすると自分がコジロー人形MK-Ⅱに抱きついていることに気がついた。 「あ、あれ……夢?」 どうやら、いつの間にか眠っていたらしい。ドラマの内容をそのまま夢で見ていたようだ。 「あ、あはははは。あたしったら……アレだねえ」 誰に見られたわけでもないが、照れ笑いをしながら下を向く。 「よっ! キリノ。お弁当少しわけてくれ……ってどうした? 何かすげえ豪華だぞ」 「あ、あはははは。どーぞ、どーぞ。先生。好きなだけとってってください」 「何かあったのか?」 「罪滅ぼしというか……夢のお詫びっス」 「???」 なんだかよくわからないまま、コジローは太いエビフライをつまむ。 「ん、やっぱりキリノの弁当はうめーなー。この間の調理実習のタルトも最高だったぞ」 「えへへへへ。もう、その、ごめんねコジロー先生~!」 キリノは顔を真っ赤にすると、コジローにお弁当をあずけて教室を飛び出していくのだった。
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605 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[age] 投稿日:2008/01/19(土) 21 04 50 ID PY700KMq コジローって痴漢冤罪に引っ掛かりそうw 606 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2008/01/19(土) 21 05 54 ID DzXc2wsw 605 基本電車に乗らん人なのにどこで痴漢と間違われるんですか 607 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2008/01/19(土) 21 08 17 ID ayhdSk2E コジローが覗きとかで捕まってもきりのんはすぐに冤罪だと気付きそうだ 盗撮だったら自分がかんでてフォローできんかもしれんが 608 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2008/01/19(土) 21 33 05 ID Xp3Xvj9P 606 まさかのインテグラ盗難 もちろん保険なんかかけてるわきゃねえので 貧乏が極貧くらいになったコジロー、この歳にしてチャリ通を余儀なくされる でも雨の日には先生と電車で鉢合わせる事が多くてきりのんはほっくほく そんな日に起こった事件です 609 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[age] 投稿日:2008/01/19(土) 21 40 09 ID BhY50bsv 605 コジロー車持ってて運が良かったなw 想像できるw jk「この人痴漢です!」 コジロー「え!?」 610 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2008/01/19(土) 21 47 09 ID IfEDV+qO 置換冤罪なんて女子高生の一言でなる… 606 プレイ中に 612 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2008/01/19(土) 21 51 12 ID 7GUaBfsQ 609 キリノ「せ、先生はあたしが毎日すっきりさせてるからそんなことしないよ!」 と助け舟なのかトドメなのかよく分からない嘘をつくきりのん 613 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[age] 投稿日:2008/01/19(土) 21 53 21 ID BhY50bsv コジローが痴漢冤罪に巻き込まれた際の各キャラの対応が気になるw タマ→あなた誰ですか?(無視) ミヤミヤ→いつかはやると(ry サヤ→うわぁ・・・私らの事も キリノ→先生信じてたのに ダン→溜まってたの? 先輩→お前とは絶好だ!お前なんかに負けたなんて恥ずかしい 中田→そこまで堕ちてたなんて・・・ 616 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2008/01/19(土) 22 08 55 ID gFXsX3d4 ああいうのって中学生とかくらいまでじゃないの たまたま居合わせたのでフォローするきりのん キリノ「ちょ、ちょっとぉ~この人、一応うちの先生なんだけど?」 コジロー「き、キリノぉ~~」 jkその1「ん?誰アンタ?…てゆーか関係ないし」 jkその2「いちいち首突っ込まないでよオバサン」 キリノ「お、オバ(怒 …ふぅ。いいかいあんた達ちょっとお聞きよ」 jkその1「だから、いいし別に」 jkその2「お金くれたら許してあげるよ、100万くらい」 キリノ「そう、お金!…あんた達、割り箸に醤油つけて食べた事ある?」 jkその1「ハァ?きもいし」 jkその2「何コイツ、うぜー、行こ?」 (がしっ) キリノ「まぁまぁお待ちでないかい?」 jkその1「うげっ、手ーのびた!?」 jkその2「ちょ、離してって!」 キリノ「いい、この人はねぇ…お金なくてね…ビンボでねぇ… 生徒にはたかるわ 弁当持って来ないといじけるわ たまに景気悪くて中身に手抜いたらこれまたいじけるわ」 コジロー「あ、あのー、キリノさん?」 キリノ「しまいにはこないだなんか竹刀を割って食べようとしてたんだよ? わかる?竹刀ってあたしの背負ってるこれだよこれ? こんなもの人間の食べられる物じゃないでしょ? そんなハラペコ星人があんた達のお尻触る余裕なんてあると思う?」 jkその1「は、はい、無いっす」 jkその2「あたしらが悪かったっす」 キリノ「…いや!まだまだだね。 おまけにしょっちゅう『あの色の雑草って食っても平気かな』とか 『革靴って煮込めば牛皮に戻って食べられそうだよな』とか 聞かされる方の身にもなってだねぇ…」 コジロー「キリノ!」 キリノ「もぉ、なんすかコジロー先生、これからがいいとこなのに」 コジロー「もう…俺チカンでも何でもいいから、その位にしといてくれ…」 キリノ「はにゃ?」 617 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2008/01/19(土) 22 10 06 ID zFP0tVdS こんな電波受信した 自称被害者と鉄道警察に詰め寄るキリノ。 キ「コジロー先生が痴漢なんかしませんよー」 鉄「そんなこと言ってもこの子が確かに触ったって」 被「そうです、確かにこの人が触ったんです……ていうかあなた誰?」 キ「たまたま居合わせたこの人の保護者です!」 コ「いや待て、俺の方が保護者だろ、教師と生徒なんだし」 被「ちょっと聞きました!きっとこの子この男の彼女ですよ!だから必死にこの男をかばってるんですよ! 生徒に手を出すような教師だからふしだらなことを私にしたんです!!」 キ「いやいやいや、だからですねぇ、この枯れた人がそんなこと女の子にするわけないんですって。 だってあたしが部活終わったあとシャワー浴びてバスタオル一枚だった時もちらりとも見なかったんですよ」 鉄「……君は部活が終わったらいつもバスタオル一枚で出歩いてるのかね」 キ「あ、そんなはしたないこといつもしてるわけじゃないですよ! ただ、シャワー浴びてたらなんか携帯が鳴って、あたし一人だから大丈夫かな~と思ったら 先生がいつの間にかいてびっくりして」 コ「びっくりしたのはこっちのほうだっつうの。というかお前ああいう無防備な状況に 男が来たら普通に電話の受け答え続けたりせず逃げるなり隠れるなりしろよ!」 キ「そりゃ普通の男の人が来たらあたしだって隠れますよ~。 でもコジロー先生はそんなひどいこと絶対にしない人だってわかってますし。 事実先生ちらりともこっち見ませんでしたし」 コ「だからそういう危機感のなさが」 被「……もういいです」 コ「は?」 被「馬鹿馬鹿しくなってきました。もう帰ります」 けっ、と言葉を残すと自称被害者の女子高生は呆気にとられた3人を残し鉄道警察詰め所を後にする。 コ「じゃあ、その、俺も帰っていいんですかね?」 鉄「帰っていいんじゃないの?けっ」 キ「なんであの人たち最後ちょっとむかついた顔してたんですかね~」 コ「俺にもさっぱりわからん」 二人は同じように首をひねりながら鉄道警察詰め所を後にしましたとさ
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「…いかんな」 手にした紙っぺら一枚を見て、男は唸った。 先月末の、脂肪肝診断…いわゆるメタボ検診、その結果は 彼の想像を遥かに上回る勢いで限りなくイエローゾーンへと近付いている。 (なんでまた、俺が?) 去年までは、こんな事はなかった。 少し肝臓の値に怪しい数字が並ぶ程度で、基本的には… 健康そのもの、だったはずなのだが。 (とにかく、これはいかん) 彼は、より一層の決意と共に、部の指導に精を出すことを誓うのであった。 ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ 「んおらぁぁぁぁっ!!」 「ちょ、ちょっと先生!?」 「おーおー、何じゃいなありゃ」 朝練の開始早々、ユージと互角稽古を始めるコジロー、と見守るキリノ他の面々。 その様子は、まだ川添道場に行く前の…空回りして燃えていた頃の雰囲気に近い。 「コジロー先生、またお腹壊してぶっ倒れちゃうんじゃないのー?」 キリノの突っ込みが入ると、何とか剣を下げるコジロー。 「む…っと、いやユージ、すまんな。…ちょっとカロリー燃焼させたくてな」 「いや別に、全然構わないすけど…」 およそこの顧問の口から出る単語としては、かなりの違和感を含むその言葉に、 面を取りつつ顔をしかめるユージ。「カロリー」? 「なになにせんせー、ダイエットでも始めたの?」 「確かに最近、ちょっと顔丸んで来てますけど…前考えたら、丁度いいと思いますよ?」 サヤとミヤが同時にその単語に反応する。 「いや、実はなあ…」 ―――――かくかくしかじか。 説明のあとコジローが検査表を見せ、各自がそれぞれに反応を示す。 「むむー、やっぱり肝臓ですなあ…」 「お酒飲み過ぎなんじゃないのー?」 こないだの合宿でも、飲んだくれてぶっ倒れてたしさ、とサヤが続けると表情に難色を示すコジロー。 「いや、あれは…すまんかったけど……最近はもうビールくらいしか飲んでないのにな?」 「うちのお父さんも晩酌するけど、別に問題なんか出た事ないって言ってるのにね~、ふむふむ」 「あ、うちもですー」 千葉家と東家、両家の例を挙げられ言葉を失う。 (…なんでだよ畜生!) 俺はまだ26歳だぞ、とでも言わんばかりの歯痒さに身を震わせていると。 「でもこれ、運動不足って言うよりは食生活の偏りの方が大きくないですか?ホラここ」 ミヤが指差すと、バランスを考えた食事を、という医者の助言がある。 バランスを考えた食事。顧問の。 皆が一斉に顧問を見、そのあと部長の方に視線を向けようとして、しかし意思の力でそれを抑える。 その微妙な動きに少し違和感を覚えた対象者二人であったが、意にも介さず立ち上がると。 「…まあ何せともかくまずは運動だ!練習練習!」 「そうだよー!動けばきっと痩せられるよ!」 顧問と部長が同時に声を発すると、はいはい、とそれに付き従う部員たち。 そうして稽古の再開となった運びの最中、誰も違和感を感じなかったキリノの言葉に一人だけ耳を貸した者がいた。 ―――――「痩せられるよ」? 先輩、自分の事じゃないのに…とタマの抱いた疑問は、しかし練習中にすぐに消えてしまった。 ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ 「お」 「…あ」 昼休みの道場。 カップ麺に湯を注ごうとしていた所に、闖入者がひとり。 「…もー、そんなものばっか食べてるからあんな判定もらうんじゃないの?」 皆と一緒に昼食を摂る為にやって来たサヤが開口一番にそう告げると、 「いやだって、今日キリノまた調理実習で遅れるって言うからさ…お腹すいちゃって」 あんたどんだけキリノ頼みなんだ、とサヤが呆れ顔を向けると、後ろからどかどかとやって来る他の部員たち。 「おー、先生またカップ麺かぁ」 「ったく…あたしとダンくんのお弁当ちょっと食べます?」 ダンとミヤに続き、ユージとタマ、そしてサトリも。 「先生…うめぼしも健康にいいっていいますから」 「あ、じゃあ代わりに俺の弁当ちょっとあげるよ、タマちゃん」 「お、お前ら…ありがとうなぁ」 生徒からの好意に感激するコジローを更に喜ばせようと。 私も、と続こうとした所で鞄からゲームパッドのようなものを覗かせ、 一瞬で引っ込めたあと涙顔で蒼褪めるサトリに、道場の空気は一変する。 「さ、さとりん…あ、あたしのお弁当、ちょっと分けたげよっか?」 サヤがそう言うと。 「さ…サトリ、あたしとダンくんのお弁当も、食べる…?」 「東さん…あたしのごはん、ちょっとだけなら…」 「お、俺のお弁当、あげるよ…母さんの作ったのだけど」 次々と続き、捧げられる、本来コジローに与えられる筈だった供物。 (こ、こりゃまあ流石に、貰えんわな…) コジローが軽く嘆息をつき、さて、と割り箸をわり、カップ麺を開こうとした所で。 「ごっめーん!遅れちゃった」 救いの神は、そこに現れた。 頭には三角巾をつけ、割烹着を着たままで、息せき切らせてやって来たその女神は、 両手に余るほどのお盆を抱えて、3段重ねの重箱を提げている。 「ほいセンセー、調理実習でクレームブリュレ作ったんすよ。…みんなも食べてね!」 どす、という勢いで全員の座する中央に盆をおろすキリノ。 程よく焦げて、周囲に暴力的な甘い薫りを撒き散らすその塊は、 「…1キロくらいあるんじゃないのこれ」 サヤの突っ込みを待たずとも誰もがそう思えるほどに…膨大であった。 しかし、目を輝かせる顧問にとってその量は逡巡のきざはしにもならない。 「サンキューな、キリノ!いただきまーす」 ササっとキリノによって切り分けられたその塊の、四分の一はあろうかというこれまた塊を、嬉々しげに平らげていく顧問。 自身にもその半分くらいはあろうかという塊を取り分け、他の部員たちの分も用意すると、 「お弁当もどーぞ~」 3段重ねの重箱をぱかぱかと開き、一緒につまんでいく。 うまいうまい、おいしいおいしい、と揚げ物をばくばくと平らげて行く二人に、こぼすサヤとミヤ。 「あっち…あんだけで脂質50gくらいは行ってるよね」 「いえ、全部で合計3000kcalくらいは…あるんじゃないですか、あれ」 ふと、サヤがキリノに視線を移す。 ダイエットの話をしていた顧問につられて気付かなかったが、 (そういえば…な、なんかこの子も、丸々してきてるみたいな…!) 見れば見るほど気のせい、ではない。 割烹着を脱いだ制服の上からでもわかる。 首回りや、胸やお腹はだんだんと丸みを帯び、お尻はスカートからはちきれんばかりだ。 「あれ、どうしようか…突っ込んだ方がいいのかな?」 「ほっとけばいいんじゃないですか?幸せ太りってやつでしょ…しょうもな」 そんなサヤとミヤ、二人の会話も全く耳には入らず、凄まじい勢いで重箱を開けてゆく。 やがてそれが底を尽き、お盆の上からデザートも消え失せると。 「ぷあー、食った食ったあ」 「こりゃ、相当一杯運動しないといけないっすねー、ふふ」 食べ終わり、そのまま大の字になって寝っ転がる二人。 その光景を見ながら、或いは純粋な心配する気持ちから、或いは自戒の為に。 他の部員たちは一同にこう思うのであった。 ――――健康には気をつけましょう。
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「な……何これ~!?」 「抱き枕です」 剣道場の壁に立てかけられた抱き枕を指差しながら、レイミが答えた。 その抱き枕には篭手をつけたまま、道場でゴロゴロしているキリノが写っている。 「室江高校もTVに出るんですから、 やっぱりグッズとか作ってもっとアピールするべきだと思ったんです。 とりあえず、ロリ系の川添さんと正統派のキリノさんと、 ミヤコちゃんで一つずつ試作品を作ったんですけど。 あ、でもミヤコちゃんの抱き枕はアタシが家で使ってるからダメなんです」 「レイミ……あんた、ちょっと何勝手なことしてんのよ!」 ミヤミヤが眉間に皺をよせながら、レイミをにらみつける。 「ええわー、怒ったミヤコちゃんええわー」 レイミには逆効果だった。 「それにしても、ねえ……」 チラ、と抱き枕のほうを見るキリノ。 「タマちゃんも抱き枕作ったっていってたよね?」 「ハイ、ユージ君にあげました」 「え」 予想外の答に部活のメンバーが凍りつく。 「家に持って帰っても邪魔だし、お父さん怒りそうだから…… ユージ君にあげたら、TV見るときとかにちょうどいいねって」 「あー、ユージ君だわー」 キリノは、深くため息をつく。 「先輩は持って帰るんですか?」 「え、ええ。でもこんな大きいの邪魔だしなあー」 そのとき、抱き枕がコロンと転がり裏側の絵柄が一同の目に入った。 そこには、部屋でスカートの中身に手を伸ばしているキリノが写っている。 顔はほてり気味で、何をしているところなのかは想像に難くない。 「キ、キ、キリノ? こここここれ」 サヤがパクパクと口を開けながら指差す。 「にゃあああ! なんで、こんな写真があるの!!」 「あ、それはいもーとさんと取引してもらった写真です」 そういって、レイミは元となった写真を取り出した。 写真の日付は、コジローが室江高に帰ってきた日になっている。 キリノは思い出した。その日、確かあまりにうれしくて……うれしくて……。 「おーい、練習始めるぞー」 その瞬間、間の悪いことにコジローが剣道場に入ってきた。 「お前ら、何集まってるんだ……ん? 何だそれ?」 「ウワー! コジロー先生見ちゃダメー!」 あわてて隠そうとするキリノだったが、抱き枕はしっかりコジローの目に入ってしまった。 「ななななな、何じゃこりゃ!」 「ハイハイ、ストップ。ストップ。コジロー先生。最近枕が壊れたっていってたでしょ。 だから、キリノが特製の枕を作ったんだよ」 見ていられないとばかりに、サヤが助け舟を出す。 「え、でもこれって抱き枕ってやつじゃ」 「マ・ク・ラ!」 「この写真は、そのナニをしているというか」 「ナニもしてない!」 赤面しながらキリノが必死に言い訳した。 「いいから、とっとと持って帰りなさい! ほら、帰った帰った!」 サヤは、コジローに抱き枕を押し付けると尻を蹴飛ばして道場から追い出す。 「え、あれ? おーい、練習は……」 抱き枕を抱えたまま、コジローは1人剣道場の入口で立ち尽くしていた。